PARK CITY RUN 2012

昨年も走ったDesa Cityの10kmレースに参加。

実は寝不足で体調が悪く、目覚ましで起きた後、一瞬「走るの止めて寝てようかな」と思ったけど、なんとか気を取り直して準備をした。

駐車場が混みそうなので早めに家を出る。会場近くの誘導に従ってコース沿いの駐車場に入った。隣に駐車していた人に「コース沿いにあるけど、レースが終わるまで出られないってことないですよね?」と聞いたら、「片側一車線は車のために空けるから大丈夫でしょ」と言われて安心。さて行きますか、と思ったら駐車場入り口でなんだかもめてる。主催者側のそのシーク教徒のオジサン曰く「ここは今から閉門して、レースが終わる10時頃まで開けられない」とのこと。ご冗談を、8時前にはゴールしますよ。慌てて車を移動、あの誘導はなんだったんだ...

今度はしっかりした場所に駐車して当日受付へ。「ゼッケンもらいに来たんですけど...」とマレー系のおばさんに話しかけたところ、「え、当日にゼッケン...(そんなの聞いてないわよ、きっと無理よ、と顔に書いてあった)」と固まってしまった。と、そこへワタシにメールで「当日でも特別に受け取れるよう手配しました」と送ってきてくれた人が現れて、無事ゼッケンとチップを入手、よかった、よかった。

それでもまだ午前6時、スタートまで1時間以上ある。ということで、テレテレと周辺を走ってウォームアップ。コースを逆行するようなかたちで走っているうちにずいぶん遠くまで来てしまった。コース係員に道を聞いたら「このまま進んでも、戻ってもどちらでもスタートに行ける」と言われ、少し進むが不安になってきた。スタート時間に間に合わなかったら悲しいので来た道を戻った。これでトータル5kmは走ってしまったと思う...

なんとかスタート時間までに戻って出走。ゲートをくぐるまでに30秒ほど要する。そのあとは前の人をよけながら、10分前にでた5kmランナーらしき人を追い抜きながら八艘跳び状態で走る。同じペースで飛ばしているランナー3人をロックオン。まず細いインド人系ランナーの後ろについて、平地で追い抜く。次はマレー系と中華系をそれぞれ一人ずつ。と思ったらインド系のランナーに抜き返された。この方、後ろから見るとかなり細くてうらやましいランナー体型。上りが強いようだが平地スピードはそれほどでもないので再度抜き返して逃げる。

5km地点あたりにDesa City名物、「心臓破りの坂」があってそこの折り返しで自分の順位を数えたところ11位くらい。おー、そんなに前にいるとは思わなかった。坂を上り切って折り返し、前の二人を抜いて9位に。その前はもう誰も見えない。そこからは一人旅で無理せず流してゴール。

と、係員さんから順位タグを首にかけてもらう。おー、5位だ。特に期待してなかったのでこれは嬉しい。

表彰式までたっぷり2時間くらい待たされた後にAdidasのバウチャーRM100(=2600円)を賜る。ありがとうございました。

写真はゴール後にふるまわれていたミロ(海外ではマイロと発音するみたい)。どこの大会行ってもスタンドが出ています。ワタシはゴール後に飲みたいとは思わないですけどねー。

Standard Chartered Bangkok Marathon 2012

Standard Chartered Bangkok Marathonに出走して参りました。
SCが冠のレースは、シンガポール、香港、KLに続いて4大会目。

レース前日にゼッケン等のピックアップ。ホテルからチャオプラヤ(メナム)川をExpress Boatで遡っていく。事前にGoogle Mapで場所を調べておいたので、最寄りの船着き場で降りる。「歩いていれば誰かランナーらしき人もいるだろ」と思っていたが、誰もいなかった…
現地でゼッケン、Tシャツ、メダル(まだゴールしてないのに…)をピックアップ。同じタイのプーケットもそうだったけど、ゼッケンの保管がぞんざい、というか、ゼッケンがふにゃふにゃでマレーシアのそれよりも品質が劣る。

会場で12/23(日)開催のチェンマイラソンの受付を行っていた。エントリーフィーは900バーツ(約2300円)とのこと。「うーん」と5分くらいその場で考えていたら「700バーツ(タイで働いている外国人扱い)でいいよ」と、なぜか頼みもしないのに値切ってくれた。が、今回はやめておいた。レースが続き過ぎる。来年必ず出よう。

帰りの船着き場で日本人らしき人がいたので話しかけたら「バンコク走遊会」の方だった。自分と同じ会社の人(すでに帰国)がつい数ヶ月前までそこに入っていたので聞いてみたらご存知とのこと。うーん、世界は狭い。帰りのボートでずっとおしゃべりさせて頂きました。

さてレース当日。

スタートは午前3時。タイはマレーシアと経度が一緒なのに1時間の時差がある。ということはタイの午前3時はKLでいうところの午前4時。前日の午後8時に就寝するもなんだか寝付けず、そのまま起床時間の午前1時を迎える。着替えて必要なものだけ持って、すぐ走れる恰好でホテルからタクシーを捕まえて会場へ。

スタートは王宮沿い。マレーシアの大会ほど人数がいないが、リラックスした雰囲気は東南アジア共通らしい。昨日お会いした走遊会のHさんと再会、皆さんで楽しそうに集合写真を撮っている。自分もマレーシアの「走馬会」のシャツを着てくればよかった...一人で出る遠征マラソンは毎度ながらにさみしいもんだ。

スタート20分くらい前に並ぶ。それほど混んでおらず前から5列目まですんなりいけた。と思ったらいきなり集団が前に動き出した、まだ15分くらい早いのになぜ? 隣にいた欧米人の兄さんたちが「これがスタートかよ!」「きっとそうだよ」「いや、ありえないよ、だってまだ15分もあるぜ」「でもみんな走ってんじゃん!」とかなり焦ったモードで会話しているのがなんだか面白かった。結局数十メートル前に移動しただけで、そこでまたスタート時間を待つ。MCの男女がしゃべりまくり。「昨年の今頃は洪水で大会が開けず、今年の2月開催となりました。そして今回11月にまた開催。今年はバンコクラソンが2回開催された特別な年です!」なるほどね。そしていきなりバンドがEW&FのSeptemberを演奏、って今は11月だろ!

演奏が終わったところでやっとスタート。混雑もなく自分のペースで走り出せる。今回の装備はヴィダーインゼリーを1つ左手に握り締め、ポケットにアメとカロリーメイト(最後まで食べなかった)、それだけ。水が2kmごとにある、と書いてあったので飲み物は持たず、ウェストポーチもなし。

コースはすぐに高速道路を上りそのままフラットにまっすぐ走っていくシンプルなもの。あたりはまだ真っ暗だがフェンスが低いので遠くまで見渡せる。そこそこ風が吹いていてマレーシアより心地よい。今回の目標タイムは…東南アジア初のサブ3.5はさすがに無理だけど、せめて10月のプトラジャヤナイトマラソン(3時間44分)よりも良いタイムを目指そう。ペースは5分12秒をキープしたい。ちらちらとガーミンを眺めるもののペースが一定せず4分台だったり5分30秒より遅かったり、そんなにスピードを変えているわけでもないのにおかしい。そのうちあまり時計を気にしなくなる。

走り出してすぐにトイレに行きたくなる。ホテルのラウンジにあったペリエを調子にのって何本も飲んだせいだ。6km地点にトイレカーがあったので立ち寄る。そのあと10km地点にもあったのでまた立ち寄った。熱帯のフルマラソンで2回もトイレに寄るとは...

10kmの通過が53分08秒。この時点でもまだ結構の数のランナーに追い抜かれる。マレーシアと違ってタイランナーのレベルの高さを感じた。2kmごとにエイドがあるのはかなり心強い。飲み物はひたすら水とスポドリカップが固いプラスチック製なのでつぶして飲みづらいのが難点。それと細かい氷が入っているので一気飲みもしづらい。余った氷を頭と帽子の中に入れてクールダウンしたいのだが、そこまで氷が大きくない...

15kmの通過が1時間20分18秒、この5kmを27分10秒。なんだかぱっとしないペースだ。コースはおそらくバンコク市内から北西に向かって走っているのだろう、16km地点で折り返す。すでにすれ違ったトップランナーはそのほとんどがアフリカ系。その後ろを走るタイ人ランナーを見ると思わず応援したくなる。すれ違う際に視認した「走遊会」のランナーの方の中にはHさんはいなかったようだ。このあたりから後続ランナーに抜かれることがなくなり、徐々に前を追い駆け始める。並走するのは自分より年上の日本人ランナー。体が絞れており、いい走りをされていた。その方にしばらく引っ張って頂いた。

20km通過が1時間45分17秒、この5kmをちょうど25分、10kmを52分10秒。やっとペースが上がってきた。「無理したら後が苦しい」という思いと「せっかく走りやすいコースなのだから思い切って行こう」という気持ちがせめぎ合う。苦しくないところまで行こう!と決めてそのまま5分/kmに近いペースに上げて走る。ちょうどハーフマラソントップランナーの折り返しとぶつかる。すごい勢いで後ろから追い抜かされていく。

30km通過が2時間37分07秒、この10kmが51分50秒。あら?あんまりペース上がってなかった...それともガーミンの計測誤差か。高速道路を下りて街中に入ると、今までまったくいなかった応援がちらほらと見られる。街中に入ったせいか蒸し暑い。

このあたりから更に足が動き始める。5分/kmを切るスピードで前のランナーを追っていく。と思ったら、先ほど追い抜いた走遊会ランナーの方にさーっと抜き返される、速い...と、またもやハーフマラソンランナーの集団に追いつかれた。もうこうなれば特訓だ!と無謀にもそのハーフの集団についていく。どうせあと10kmだ、ペースは4分15秒くらいか。みるみるうちに先ほど追い抜かれたランナーさんに追いつく。
34kmのチェックポイント通過が2時間56分21秒。36kmのエイドに大好きなスポンジがあったのだが、前のランナーが取り損ねて自分も取れなかった、ショック!よほど戻ろうかと思った。あと6km、苦しい...ハーフのランナーに少しずつ置いていかれる。1kmずつのカウントが長い。38kmあたりで力尽きた、本日終了。このあたりからペースがおそらく5分30秒くらいまで落ちる。40kmの通過は表示がおかしかったので正確にはわからないが、おそらく3時間25分くらい。この10kmを48分で走ったことになる。

ラストの王宮周回の長いこと...ゴールタイムは3時間36分30秒。

ま、途中で無謀なことをしましたので予想どおり最後は大きくペースが落ちましたが、いいトレーニングになったような気がします。ずーっと同じペースでなんだかもやもやしていたので思いっ切り走れてよかったです。

ゴール後に走遊会の方に話しかけたらドリンク、アイスキャンディー、果物、そしてなんと協賛しているマクドナルドからハンバーガー×2個ももらえるところに連れて行って頂きました。
ハンバーガー...もらったはいいけどさすがに食べる気になれず、タクシーの運転手さんに贈呈しました。(ごめんなさい、K部さん! ピザでも無理だと思った...)

その後Hさんを見つけてご挨拶。来年またどこかのレースでお会いすることを約束しました。

ホテルまでタクシーで帰ってもまだ午前8時。何事もなかったかのように家族とホテルの朝食を採る。

決して楽しいコースではありませんが、フラットでエイド数も多く、渋滞もなく、マレーシアよりも涼しくて走りやすかった。走り終わってダメージもほとんどなく、来年また出てもいいな、と思いました。

次のフルマラソンは1月のドバイ。今回以上の走りをして、久しぶりにサブ3.5を出したいと思います。

写真はレース前々日に観光したワットアルン(暁の寺)。


Live Great Run 2012


年代別で6位だった。5位まで賞金(というかVoucher)がもらえたのですが、残念!

12kmのスピードレース、コースは自分が普段テコテコ走っているMK Soraris周辺。
スタートからの下り坂で全速力で飛び出して集団から抜け出す。3分48秒/km、こりゃ飛ばしすぎか? すぐ後ろにH谷ジュニア(高校生)につかれる。あれ、なんだか左の膝下に力が入らない。ちゃんと蹴られずになんだか左に傾くような感触、ふくらはぎの外側が痛い。もうここからはスピードが出ない、アップダウンだらけのコースで下りだけ飛ばすも上りはもうヘロヘロで6分近くかかる。ジュニアに抜かれる。

折り返しで数えたところ自分のカテゴリーは、1、2、3、4人、ということは5番目か。ギリギリ表彰圏内だ、そしてすぐ後ろにはパワーのありそうな欧米系ランナーが追って来ている。「こりゃアカンわ」と思うのが通常の日本人の負け癖メンタルなので、頑張ればなんとかなるだろう!と気を取り直してひたすら逃げる。途中で抜かれた別カテゴリーの2人を抜き返すが、H谷ジュニアにはさすがに届かない。

このコースちょっとした障害物競争になっており、途中で障害を飛び越え、ゴール前でフェンスをよけながら走る。添付図のとおり、どっちもたいしたことなかったけど。

なんとか追い付かれずにゴール! したが、誰も寄ってこない...
ガーミンの距離表示もぴったり12km、タイムもぴったり53分。

どうやら数え間違えていたようで、目の前に何度か見たことのあるインド人ランナーが。そして彼の首には5位のタグが...

今日こそ本当に思った、もっと体重を減らそうと。そうでないとこの手のスピードレースはマレーシアでも歯が立たない。自分のカテゴリーの1位はアフリカ系ランナーで、これはさすがに無理でもあとのローカルや欧米系とはもうちょっと競り合いたい。

12km、という距離で思いっきりナメきってましたけど、ハァハァいうスピード練習としてはもってこいでした。
左足は、どうやら軽い肉離れ。2週間後のフルに暗雲が...来週じゃなくてよかった。

Pacesetters 30km Run


マレーシア最大のランナーズクラブ:Pacesettersが、11月のペナンブリッジ(フル)、12月のシンガポール(フル)のランナーのために開いた30km練習会に参加。
ワタシはそのどちらにも出ませんが(ペナンと同日のバンコクフルに出る)、30kmを走れるとあって、「こんな貴重な大会は無い!」とすでに申し込んでいた別の12kmを止めてこちらに参加。

正直30kmもどこを走るのかまったくわからないまま午前5時半スタート。こんなにたくさんのランナーが出るのか!と驚く。スタートしていきなり上り坂急登!そりゃそうだ、ここはBukit Tunkuでまわりは坂だらけ。どんどん登って降りて、ああ、ここは昨日20km走ったコースと被ってる。そして、真っ暗だからわからなかったけど途中で昨日のコースと分かれて周回っぽくなる。「そうか、この山中をグルグル周回させられるのか」と思いきや、平地に出た途端にまた昨日のコースと被る。そしてとうとうマイコースのSolarisへ。そこでモスク周辺を周回してスタート地点に戻っていく。これで15km。ふわー、これはタフだわ...

15kmまでは5分30秒くらいのペースか?まわりのランナーと抜きつ抜かれつ、これはいい練習になるわぁ、と思いながら走る。2周目の直前に「アンタは38位!」と係員のオジサンに言われる。「じゃあ、18人くらい抜いとくか」と2周目から少しペースを上げて、これまでデッドヒートを演じてきたまわりのお兄さん達をアップダウンを利用して振り切る。前にポツポツとランナーがいるからターゲットになって走り易い。ペースは5分10秒くらいか?平地が少ないからペースが測りづらい...28km地点、最後のエイドでどっと疲れが出た、どうやらスタミナ切れ。あとはゴールまでスロージョグ。

順位もタイム発表もまったく無かったけど、ゴールして休憩しているランナーの数をかぞえたら15-20位くらいか。出走数はゼッケン番号を見る限りおそらく1000人弱。スイカ食べて中華風の豆腐デザート食べてすぐに帰宅。いい練習会でした。

そうそう、お約束の「お魚さん」にもお会いしました。20kmくらいでキャッチ。彼はワタシの10分後くらいにゴールしてましたね。

昨日の20km走の影響もそんなになく、2日間で50km走れたのは大きいけど、日本のランナーの皆さんは毎週それくらいは走ってるんですよね、いやー、勝てませんわ。
一人だったらあんなに速く(もないけど)走れないし、30kmという距離自体をこの暑いマレーシアで練習走することがないから本当に有難かった。年に何回かやって欲しいですね。

Putra Jaya Night Marathon 2012




Putra Jaya Night Marathon 2012 に出走してきました。

昨年は後半バテバテで単調な夜のコースに気持ちも切れて、フルなのに歩いてしまった。今年はその反省を生かして歩かない!ということで、まずは昼から仮眠。午後3時から2時間ほどぐっすりと眠ることが出来ました。これがすごく良かった、と今になって思う。

そして奇跡が! 何気なく画面の消えたGARMINのボタンを未練がましく長押ししてみたら突然復活!急いで充電し直す。なんとかレースに間に合ってくれ!人工蘇生成功か?

ということで、ギリギリまで充電待って午後6時に自宅を車で出発。しかしすぐに空が暗くなって突然のスコール! ワォ、ほとんど前が見えない。高速道路ながらもさすがにスピードダウン、レーススタートは午後8時だから1時間前には現地到着したい! ペーパードライバーのワタシにとってこんな豪雨での運転は初めて。前が見えないながらも追い越し車線に移動したら、うわー、水がすごい。ほとんどウォータースライダー状態。サメでも出てきそうだ。道路の両脇にすごい水が溜まっているからみんな真ん中走ってるのね、はやく言ってよ。やっと前方が明るくなったと思ったら突然雨が止んで、信じられないことに一瞬にして乾いた道路に出くわす。雨のカーテンを抜けて来たようだ。マレーシアではよくあること。

さて、なんとか1時間前に到着してオニギリとバナナを飲み込む。そして左肩のストレッチを入念に行う。肩こりが起きませんように!駐車場はふんだんにあるので好きなところに停める。昨年この大会で知り合いが車上荒らしにあっているので注意だけは払う。事前に配布された大会ランシャツ(蛍光イエロー?)を着て、シューズは新品のアディダス。というのもシューズとシャツの色が偶然にも同じだったのでオシャレかな、と思ったのだが、走り出してまったく意味の無いことが分かった。夜のレースでおまけに照明はオレンジ灯。靴の色なんかわかるわけがない、普通にアシックス履いてくればよかった。ゴール後はしっかり血豆が出来ていた...

スタート地点でゆかみさんに声をかけて頂く。一応「ロックオンしましたよ!」というジェスチャーだけしておいたが、正直走ってみないとどうなることやら自分でもわからない...昨年は前半とばし気味でつぶれたので今年は前半6分/km未満、もしも調子が上がればもう少しペース上げてとにかく慎重にペース維持、目標タイムは3時間45分、悪くてもサブ4、と決めていた。
食べ物がほとんど無い、と記憶していたのでヴィダーインゼリーとカロリーメイトを持参。単調な夜のコースなので後半飽きたときのためにi Pod nanoも持参。

事前に雨は降らなかったが、気温はそんなに高くない、マレーシアにしてはコンディションは良い。午後8時に無事スタート。静かにマイペースで走り出す。まわりのランナーにどんどん追い抜かれるがまったく気にしない。橋の上のハイテンションな応援に励まされながらのんびり行く。誰かが掲げていたボードに「Run Like You Steal Something!」(だったかな?)と書いてあった。「なんか盗んだときみたいに走れ!」って、ちょっとどうなの?笑えたけど。

昨年はこのあたりで「お魚さん」を追い抜いたなぁ、と走っているうちに昨年の記憶が少しずつ甦る。そしてローカルランナーと無理に競り合ってあとで痛い目を見たなぁ。ということでとにかくマイペース。ちょうど自分と同じペースのスリムなランナーがいたのでひたすらついていく。マレーシアではたいていのランナーがすぐにペースダウンするのだが、この方はずっと一定のペース。上りがワタシよりちょっと遅いが下りは逆に速いのでついていきやすい。よく見るとワタシより年上のようだ。かなりの距離を併走させてもらって助かりました。
10kmの通過が52分25秒。5分15秒/kmくらい?全然悪くない。特に苦しくもない。これ以上あげずに行こう、と決める。
13km地点くらいで、ゆかみさんらしい人の後ろ姿が...違うかな?とも思ったけど追い付いてみたらご本人でした。とりあえず先に行かせて頂きますが、ここからは追われる立場。背中に熱視線を浴びながら少しずつ逃げよう、夜の暗闇にまぎれこもう。
と、今度は「お魚さん」らしき人が。久しぶり!でもいつもと違って、キャップを被っている。そしてロングタイツではなくショートパンツ。いつもの左肘を「ピチッ!ピチッ!」と脇腹に打ちつけるフォームが妙に弱々しい。追い付いてみたらやはり「お魚さん」その人であった。今日はピチピチしていないが、そのかわり顔が上を向いてパクパクしている。それはそれでお魚っぽいけど、フォーム変えたの?前の方がインパクト強くて好きだぞ(余計なお世話?)。
ニューお魚さんをパスして15km通過、この5kmが26分47秒、ペース維持。このあたりで併走していた年配ランナーさんを置いていく。
20km通過、この5kmが28分33秒。ちょっと落ちたけど、ネバーマインド、全然オッケー。そういえば月が綺麗だ。下弦の月というのかな?マレーシアに来て月を見ることがほとんどないのでしばらく眺めながら走る。まだ月を愛でる余裕がある。

ゼリーを食べるのと音楽聴くのは25km過ぎてから!と決めていたのだが、早くも気が滅入ってきた。若干お腹も空いてきた。エイドは結構な頻度であるのだが、水とスポドリばかり。それと大好きなスポンジ。常に握ったまま走る。I love スポンジ very much。スポンジメーカーは是非マラソン大会に協賛すべきですよ。レース用高性能スポンジを発売して、ランナーみんながマイスポンジとか買ったら結構大きな市場になりますよ。
と、戯言はさておき、ゼリーを食べて音楽を聴く、つもりが知恵の輪のようにイヤフォンがからまってなかなかほどけない、もうイヤ! 仕方ないので貴重なスポンジを投げ捨てて両手でほどく。音楽で少しリラックス。足の力を入れ直す。前半は短い歩幅のピッチ走法だったけど、少しずつ歩幅を広げて行くかんじ。
30km通過、この10kmが51分37秒。また少しペースが戻ったか。最後の食べ物、カロリーメイトを頬張るもなかなか飲み込めない。折り返しを過ぎてすぐにゆかみさんとすれ違う。あら?結構差が無い、距離にして500m、3分もないか。こりゃ気が抜けません、とにかくペース維持。あとでゆかみさんに伺ったら逆に「だいぶ離れてるなー」と思ったとのこと。追う方と追われる方の心理、それぞれ面白い。

35km通過、この5kmが25分56秒、GARMINも足もまだ生きている。前半抑えた甲斐がありました。このあたりから怒涛の上り坂3連発。前のランナーをターゲットにペースを落とさず走る。不思議と結構まだ行ける、と思ったら脇腹が痛くなってきた。こんなの久しぶりだ。ついでに左肩もとうとう痛くなってきた。だましだまし走る。
40km通過、この5kmが26分37秒。最後の最後でハーフマラソンのランナー、いや歩行者の大群と遭遇。皆さん静か、まるで夜中にひっそりとサバンナを移動するシマウマの群れのよう(勿論見たことないけど)。ハーフはフルの20分後スタートだから、この人たちはすでにハーフを3時間以上もかけて楽しんでいる計算、もとは取れたと思うよ。
最後の2kmが去年も長かった。もはやラストスパートする気力もなく、長い直線の先に見えるゴールを砂漠のオアシスに見立てて、焦らず急がず前進する。

ゴールタイムはネットで3時間44分ジャストらしい。

首に順位の書かれたカードをかけてもらう。「5位」とある、おぉ! これは嬉しい、けど、こんなタイムですみません...
ついでに配っていた完走証ももらう(あとで帰宅してよく見たらハーフの完走証だった...)。

結局ゴールしてから1時間半ほど待って、各カテゴリーの3位までの表彰を楽しく見させてもらう。日本の大会と違って、ゴール後の緩い雰囲気が好き。寒くないからのんびりしていられる。たいていの人が、タイムや順位など気にせず楽しむために走っているマレーシアの大会は日本と違った良さがあります。

カテゴリー2位だったゆかみさんの表彰を見たあと、いよいよお待ちかねのCASH CENTERに行く。はたして自分のカテゴリー(フル:40歳以上50歳未満男性?)第5位の賞金額はお幾ら?
なんと、RM700ももらっちゃいました。邦貨にして約1万8千円くらい、ラッキー! 遅くまで待った甲斐があった。これって税務申告しなくていいんだよね。

ということで、守りの姿勢で走った今回のマラソンですが、賞金までもらっちゃったので結果オーライ。お陰様でモチベーション上がりました。

ま、こんなラッキー2度とないだろうな、と思いつつ、これから出来るだけ鍛錬積むことにします。この大会、来年も出ないといけませんな!

写真は男子オープンの表彰式。あの発泡スチロールで出来た賞金ボードももらえるんですよ、欲しいなぁ。

PJ Half Marathon 2012


PJ Half Marathon 走ってきました。

秋田チャレンジ後、別にダメージもなかったのですが、なんだか忙しくてまったく走らないままこのハーフに挑みました。
スタートは午前5時のはずが5時半に変更、たしか昨年も30分遅れた...

コースは車道沿いを走るほとんど平坦なコース。なんだか体が重くて、苦しい目に遭うのもイヤなので(すっかり軟弱者)自重気味ペース。後半少し頑張って、ゴール手前で欧米人とマレー人ランナーと3人で競る。「こりゃ楽しくなってきたぞ」と思ったら2人ともすぐ落ちてしまったのでちょっとガッカリ。すでにゴールしたランナーが無秩序にコースを邪魔するのをよけながら最後トラック半周に入る。と、思ったらゴール直前で後ろから来た先ほどの欧米人ランナーに追い抜かれた。ちょっと油断しちゃったかな。

ということで、ゴールタイムは1時間45分くらい。

ま、こんなもんでしょ、いい練習になりました。

写真はゴール後の会場写真。なんだかわからないけど楽しそうでした。

秋田100キロチャレンジマラソン大会 2012 当日



さて、レース当日。

宿が一緒だった地元ランナーのM橋さんと一緒にバスに乗り込み、会場で一緒にスタートを待つ。M橋さんはすでにクリスタルランナー(秋田チャレンジを10回以上完走)で、大会のすべてに精通しているため、お陰様で会場内で良い場所を選んでゆっくり準備することが出来た。スタート直前に荷物を預けてゲートへ。外は意外に暖かい、15℃以上あったと思う。天気予報で「日中は28℃まで気温が上がる。晴れのち曇りまたは雨」とのことで、ランシャツにアームウォーマーというスタイルに決定。前日の受付時に防寒用のビニール袋をもらっており(おまけに頭と腕の部分をその場でハサミで切ってくれるという親切さ)、それを被る。レース前でも雰囲気は緩く、一応一番前がクリスタルランナー専用なのだが、ほとんど関係なくスタート前方に並ぶことが出来た。フルと違ってせかせかしていなくてよい。

有難いことにやかましいマイクパフォーマンスもなく、静かにスタート時間の午前4時半を迎える。M橋さんから「最初左に曲がって次に右に曲がって...」とコースを教えていただく。後続ランナーにどんどん追い抜かれるが「気にしないで行きましょう」と言われ、一緒に6分/kmペースを維持する。昨晩伺った限りでは「目標は10時間半」と、自分と同じなのでM橋さんについていけば大丈夫だろう。ただし「毎月の走行距離は300km。数年前にサブ10達成」というシリアスランナーなので、はたしてどこまでついていけるか...
まだ真っ暗な角館の武家屋敷を通り過ぎ、ちょっと行ったところでM橋さんから「左の歩道沿いを走ってみましょう」と言われてそちらに寄ると、早朝から小学生の大応援!大勢とタッチを交わすことが出来た。「元気もらえるでしょう」「ありがとうございます」とお気遣いに感謝する。
走りながら話を聞いていると、M橋さんと私は共通点が多いことが分かった。トイレがかなり近いこと、股ずれしやすいこと、ランニングキャップを前後さかさまに被ること、前半抑え気味で後半崩れずイーブンペースを心がけていること、などなど。
途中、お互いトイレに寄っては抜きつ抜かれつを繰り返しつつ、目に見える範囲の距離を保って走る。
暖かくなってきたのでビニールを脱いで丸めて握ったまま走っていたら、沿道の方から「どうぞビニールはこちらに!」と引き取っていただく。道端に捨てるのもなんだな、と思っていたのでこの気遣いは嬉しかった。地元サポーターの意識の高さが感じられました。
M橋さんのお話では、この大会、一時資金難から中止の話も出たそうで、事務局からランナーに「参加費用が幾らまでなら出てもよいですか?」とアンケートがあったそうです。M橋さんは「倍まで=3万円くらい」と答えたそうです。さすが地元愛! ちなみにそのような話があった際には全国の大会ファンから寄付金が集まったそうです。国体と重なって中止になった年もコアランナーが集まってボランティアで100kmを走り切ったとか。聞いていると本当に皆さんに愛されている大会なんだな、としみじみ思いました。

この秋田のコースは40km地点で少しきつい上りがあるものの、あとは目立った乱高下もなく非常に走りやすい、というのが事前に抱いていた印象で、果たしてそのとおりでした。だからこそ制限時間が13時間、と他のウルトラよりも短めの設定。自分の本日の目標は「サブ10.5か11、かつ歩かないこと」、ペースは6分/kmよりちょっと遅いくらいなので無理せず上りも走り通すことが出来た。もう一つの特徴としては、左折右折がとても少ないこと。通常ウルトラのコースは距離を稼ぐために曲がりくねっていることが多いけど(特に記憶にあるのは「えちごくびき野」)、ここは基本的にひたすら一本道を北上するわかりやすいコース。長い目で見ると、この曲がり角が少ないことはランナーにとって走りやすくてありがたい。ただしメイン道路を走るため交通量は多い。結構なスピードで後ろから車が追い抜いて行くのが正直怖い。こちらも疲れてくるとよけられないのでもう車まかせ。「なるべく歩道を走って下さい」と係員に言われるも、歩道が荒れていて走りづらいのが難点。
このコースの一番の難所を歩くことなく超えると、今度は何kmも続く下り。ここを少しずつ加速して下っていく。どんどん前のランナーをかわしていくが、ちょっと飛ばし過ぎかも、と思うくらい順調に走る。実は「ここでタイムを稼げたら案外サブ10が見えてくるのかも」と安易なカケに出たわけだが、世の中そんなに甘くないことを後で思い知る。
下りが苦手というM橋さんを置いて先に行くも、下り切ったあたりで早くも疲れてきた。一つには、最近ずっと悩まされている左肩痛。走ると左肩がものすごく痛くなる、ちょっとつったような状況。走りながらストレッチを繰り返すがどうにも痛みがひかない。ランシャツが合わないわけではないだろうから、やはり走るフォームが悪いのか...痛みが気になって気持ちよく走れない。それと、今回履いたシューズがかなり古くて(もう1年以上履いている、昨年の村岡でも履いた靴)ソールがすり減っているせいか、かなり膝にダメージがきた。しかし何よりも堪えたのは強烈な眠気の襲来。言い訳すると、一昨日の真夜中に帰国して、昨晩もろくに寝ていないから、それが影響しなければいいな、と思っていたのだが若くもないし、そんなわけにはいかなかった。途中のエイドでホットコーヒー、キャンディなど頂く。もっと何か食べれば目が覚めて元気が出るかもしれないが、こちらは昨晩から膨満感に苛まれており、レース当日は午前3時に朝食を無理やり押し込んで、走っている最中も空腹感ゼロ。50kmあたりまで固形分やエネルギー物を受け入れられない状態が続いた。これも失敗の一因。もう何回もウルトラに出ているのに、事前の調整(というか、自己抑制コントロール)はいまだに難しい。

エイドがだいたい5kmおきにあるのが有難い。更に各エイド間に水被り場所があるので渇くおそれはない。ゆえに今回はポーチを持たずに走った。エイドのメニューはほぼ決まっており、水、スポドリ、オニギリ(お寿司サイズ)、菓子パン、漬物(これはたくさん頂いた)、オレンジ、レモン、バナナ、梅干し、その他お菓子などなど。豪華メニューというわけではなかったけど、ウルトラのエイドとしては十分、後半にはコーラも登場してくれました。
そしてなによりも一番気に入ったのは、濡れタオルのサービス。エイドによると「ハイ、どうぞ」と気持ちよく冷えている濡れタオルを渡してくれる。これはもうサイコー!念入りに顔を拭いた後、思わず「とりあえずビール!」と言ったら笑われた。後半のエイドにはほとんど濡れタオルが完備されていたはず。個人的にはどのウルトラの大会のサービスよりも素晴らしい!と感動しました(あとで聞いた話では、しまなみマラニックでも濡れタオルサービスがあるそうです。全国の大会にて導入希望!)。

ゼッケンは2枚で前後につける。スペースがあるので各ランナーは出身地や自分の名前を書き込んでいる。それを見ているとこの秋田チャレンジ、いかに地元ランナーが多いかが分かる。そしてそのランナーが自分と同じペースで走っているわけだから、他のウルトラにも結構出ているツワモノの方々なのかと思いきや、聞けば皆さんが「いえ、ウルトラは秋田しか走ったことがありません」とおっしゃる。ちなみにM橋さんも同様でした。なのに皆速い!女性ランナーにも結構淡々と追い抜かれていく...秋田ってもしかして隠れたマラソン王国なのか...?
で、自分は昨年の村岡のときはゼッケンに「マレーシア」と書いて皆さんの興味を少しひいたのですが、今年は「海外」と思わせぶりな書き方をしてみました。エイドにて「あらぁ、海外のどこなの?」と聞かれて、「マレーシアからです!」「日本語お上手ねぇ、日本に何年居るの? 」「Welcome to Japan、Glad to see you でいいのかしら?」と何回か真面目に話しかけられました。なので、レース後半からは「マレーシアからです。でも私は日本人です」と言うと、私設エイドのおばあさんから「いや、あんたはむしろ台湾人に見える!」と有難いお言葉を賜りました。もうなんでもいいです。
一番気の利いたセリフは、あるエイドの女性が私のゼッケンを見て、「あらぁ、お名前が『海外』さんっておっしゃるの?」と言われたこと。「だっていまどき結構変わってるお名前の方が多いでしょう」とのこと。まさか苗字が「海外」とは、その柔軟な発想に脱帽!

前半に侍の格好をしたランナーと一緒になる。通りすがりに沿道から「殿、頑張って!」と声がかかるが、実は後ろから見ると背中に「お主も悪よの〜」と書いてある。要は、殿ではなく悪代官様なのである。この方、結構いろいろなウルトラの大会で見かけたことがあるので話しかけてみると、「先週の東尋坊ウルトラは35kmでリタイアしたので、今日は自重気味にいきます。来週は村岡100km、その翌週はえちごくびき野100kmです」と、ウルトラ4連続の超ツワモノでした。「今年の3月は、ウルトラだけで200km、100km、100km、トータル400km走りました」いや、悪代官様、参りました。更に曰く「前の方にレッドデビルやミニーマウスの格好をしたコスプレ兄弟がいます」とのこと。ウルトラで仮装ってかなりの勇気と実力が無いと出来ないのにすごい。
それにしてもこの秋田チャレンジ、沿道の応援が途切れません。東京マラソンのように鈴なり、というわけでは勿論ありませんが、ポツンポツンと車が停まっており、そこから「頑張って!」と声がかかるので、一人きりになるということがありません。結構、出場者リストを持っている方が多く、こちらのゼッケンを見て「○○さん、頑張って!」と名前を呼んでくれるのが嬉しい。が、私の苗字はちと読みづらいのだろうか、応援してくれる人と目は合うのだが、「...頑張って!」と、名前を呼んでもらえないことがよくある。こういうときは鈴木とか田中という苗字が羨ましくなる。ただし、女性は結構下の名前で呼んでくれました。
街中に入るたびに応援の拍手がすごいので、こちらも負けずに拍手しながら走る。養護施設の車椅子で応援のご老人の前を「ハイ、どうも!皆さん、こんにちは!」と漫才の入りのように拍手しながら走ったら「エライ馬力だ、まだ行ける!」と褒めてもらいました。

距離表示が5kmごとにきちんとあるのがまた有難い。60kmあたりでM橋さんに追いつかれて今度は後ろを走る。エイドで追いついたり離れたりを繰り返すも、M橋さんは地元出身なのでそこら中から声がかかる。「あら、○○(M橋さんの下の名前)でねぇの。ぐわんばって!」とか、「ちょっとこっちさ寄ってけ。これ飲んでけ」と、なんだかんだで有難い妨害を受けているうちに追いつく。
65km地点あたりでぐっと上った坂の頂上で「北緯40度」の記念ゲートをくぐる。北緯40度はたしかスペインのマドリッドあたりと同じ、と中学地理で習った記憶がある。
しかし段々お腹が痛くなってきて、すでに一回行っているのに、またトイレに寄らざるを得ない状況になる。食べ物とらずドリンクだけガブ飲みしてきたのが、とうとうお腹にきた...
76.8km地点のエイドでトイレに行って時間を要す。ここでM橋さんにおいていかれる。どっと疲れがきてパイプ椅子に座りこむ。「まずいな、こりゃ」と思うが体が動かない。最近20km以上の長い距離を走る練習をまったくしていないこと、寝不足、例のとおりの体重オーバー、でこのあたりが一つの限界なのかもしれない。こりゃサブ10.5もあかんな、と目標をサブ11に切り替える。ここまでずっとエイドに長居をしなかったが、初めて10分くらい休憩した。
天気予報によれば最高気温28℃まで上がる、とのことだったがところどころにある温度表示を見ると17℃くらい。曇りで適度な風があり、暑くもなく寒くもない。例年雨が多い、もっと寒い、と言われていた秋田チャレンジだが、今年はウルトラを走るには絶好のコンディション、気候的には言い訳できない条件に恵まれた。

意を決してエイドを出るも、どうにも足が上がらず後ろから来るランナーに抜かれていく。ここまで走り通したのだから今さら妥協して歩くのはイヤだ。今こそ作戦A発動!ということで、自分より速いランナーに無理してついていく。すると走り方が変わるのでしばらく使っていなかった筋肉に刺激が入り(単なる持論か思い込み)、案外走り続けることが出来る。一人では無理だが前に引っ張ってくれる人がいると出来るこの作戦で距離を稼いだ。エネルギー補充のために、食欲はなかったけどオニギリを温かいお茶で流し込み、パンを紅茶で流し込む。80kmを過ぎて、85kmを過ぎると気分はもうカウントダウン状態。ひたすら単調な田舎道をとにかく何も考えずに、というか脳に血液がいかないせいだろう、もともと走っている最中はほとんど何も考えられない。ひたすらテコテコ行く。ペースは6.5分/kmくらいか。
90kmになったところで、その次は「あと9km」の表示が出る。そこからまたちょっときつい上りがあると聞いていたが、どれだかわからないままに空港の真下のトンネルに入る。これが長い、何百メートルもありそうだ。やっとこさ地上に出たところで、あと4.6km表示。残る公設エイドもあと一つだけ、20ヶ所目。

96.5km地点、最後のエイドでまたぐったりと椅子に座り込む。「あとは歩いても30分くらいだよ!」と言われ、「じゃあ、今の状態で走ったら40分くらいかかるかも」と返したら笑われた。結局今回はセカンドエンジンに点火することなく終始ペースは上がらなかったが、最後の区間くらいは頑張ろうと思いっ切り走る。前にいるランナーを抜いて、やっと追いつきました、レッドデビル。真っ赤な悪魔のコスチュームで、ミニスカに網タイツ、頭にはツノ、右手には悪魔が持ってそうな三叉のヤリ、もちろんランナーは男性。後ろから見ているとなかなか面白くて、沿道から応援がかかるたびに投げキッスを返すので沿道は大盛り上がり。おまけに通りすがりに自分でスカートをペロっとめくっていく。チビッ子の応援には「将来こんなおじさんになっちゃダメだよ」と頭をなでていく。
こちらが追いつく気配を感じたのか、「どうぞ、先行っちゃって下さい。こんなランナーの後ろ走るのイヤでしょ?(笑)」と親切な悪魔に道を譲って頂く。

鷹巣の街中に入ると商店街から「ゼッケン○○番の××さんです」と放送が入る。どこかでゼッケンをチェックしていて、それが放送席に伝わるのだろう。現金なもので今更になってスピードが出る。商店街を一気に駆け抜け、最後の直線に入る。ゴールはどこだ? 噂の大太鼓(本当に大きい!)の横を走り抜け、左折したところがゴール。

ゴールタイムは10時間45分くらい。最後まで歩かずに走り通せたのが嬉しい。

サポーターに付き添われてゼッケンのシールを剥がしてもらい(それがゴールの証跡になる)、木製の完走証をいただき、アイシングが出来るビニールプールに連れて行ってもらう。ここでも冷たい濡れタオルに飲み物、足ふきタオルなど、至れり尽くせりのサービスを受ける。並んでいたので諦めたがマッサージも無料で受けられる。さすが、秋田チャレンジが人気の大会である理由がよーくわかりました。

アイシングが終わったところで先にゴールしているM橋さんを探したけど見つけられなかった。ゴール地点に奥様が迎えにきてくれて、そのまま車で帰るとおっしゃっていたからゴール直後にすぐ帰ってしまったのだろうか。せめて御礼が言いたかったのですが残念、心残り...
荷物を引き取って銭湯に行こうと思ったが、後夜祭をやっているのでちょっと顔を出してみたらM井さんに会って少しお話した。なんと生ビールが飲み放題、そばや豚汁(だったか?)も無料で頂けるが、こちらは胃袋が死んでいるので何も受け付けず、食べられず。
そのあと無料送迎で銭湯に行くも大混雑なので諦めて、そのままJRの駅まで送ってもらい、そこでタクシーを拾って空港に向かった。フライトまでの時間は十分で、TVで日馬富士 vs 白鵬の取り組みを見る余裕がありました。そしてANAであっという間に羽田に到着。さっきまで秋田の田舎道をえっちらおっちら走っていたとは信じられない、不思議な1泊2日、秋田への旅でした。

以下が10kmごとのLap
10km:01:03:18
20km:01:02:54
30km:01:02:22
40km:01:02:46
50km:00:56:18 ⇒ ここで飛ばし過ぎた...
60km:01:04:50
70km:01:04:48
80km:01:13:38 ⇒ ここでかなり休んだ
90km:01:03:52
100km:01:10:54 ⇒ ゴールしてしばらくストップ押すの忘れていた...
合計:10:45:45

秋田チャレンジの良かった点。
・応援が途切れず、どこかで誰かが必ず声をかけてくれること。
・公設エイドが20ヶ所、更に各エイド間に水かぶり場所が設置されており、サポート体制が充実していること。
・コースのアップダウンや曲がり角が少ないため、非常に走りやすいこと。
・ゴール後のケアがものすごく充実している。アイシング、マッサージ、タオルサービス、迅速な預け荷物の返却、銭湯への無償送迎、生ビール飲み放題、などなど。

残念な点。
・車道沿いのコースなので後ろから来る車が怖い。歩道が荒れていて走りづらい。
・スタートとゴール地点の宿泊が少ない。

また来るか?と聞かれたら、「是非に!」と答えるでしょう。それくらい好印象の大会でした。だてに22回も開催していない、ファンの多い大会であることが分かりました。
東京からの交通の便は決して良いとは言えませんが、こまちとANAで乗り換えなしで行き来できるから、金銭的余裕さえあれば問題ないかもしれません。

次回は数年後かな、知り合いと一緒に、ゆっくり来たいですね。
関係者の皆様、ありがとうございました。お蔭様で十二分に楽しめました。